会いたいのに、もう二度と会えない人を思う夏休み最終日(前編)
こんな人はいるだろうか。
いないという人の方が少ないんじゃないか。
別にその人は死んでいるわけじゃない。
だから今日もどこかで生きている。
確率論を使うなら、ゼロパーセントではないから、一生会えないわけではない。
でも、会えない。会う術がない。会えるためのヒントすらない。
まるで交わるようで決して交わらない線のようだ。
そんな人が、いるだろうか。
ここでその人が友達なのか元恋人なのか、あるいは別の関係の人なのかという詮索は今は重要じゃない。
そんな詮索は野暮だ。
大事なのはその人との向き合い方だ。
すごく会いたいけど、もう二度と会えない人。
生きているのに。
そんな人をどう思うか。自分の中でどう整理をつけていくか。
夏休み最終日に少し考えてみる。
今日も世界のどこかでその人は生きている。そして、自分も生きている。
お互いに生きている。死んでいるわけじゃない。
会いたい。でも、会う手段は無い。
以前は会っていたのに、今は会えない。
考えれば考えるほど、死んでいる人を思うよりも苦しい気がしてきた。
ゼロじゃないのに、ほぼゼロ。
どうしようにもできないジレンマ。
死んでいるなら割り切れるけど、生きているからこそ割り切ることができない。
どこかで会えるんじゃないかという僅かな期待。
その期待にすがるしか手段がない。
無理だともう気付いているのに。
できるのは、頭の中で会話をすること。
と言っても、それは自分の妄想にしか過ぎない。
とある日にとある場所で偶然すれ違う可能性はゼロじゃない。
だからこそイメージする。
仕事終わりの電車で、とあるレストランの隣の席で、鮨屋のカウンターで、大きい交差点ですれ違って、、
どこかで会えないかなと妄想を膨らましては、会えた時になんて会話をするか妄想する。
妄想して自分を慰めるなんて、マスターベーションと一緒じゃないか。
会えない限り進展なんてあるわけがないのに。
一体どうしたらいいんだ。
会いたいなぁと悲しめばいいのか。
会えることなんてないのにか?
こんなことばかり言っていたら、俺はその人たちに恋をしているみたいだ。
でもそう言われても過言ではないくらい、その人たちを思い出し、会いたいと願う。
もしかしたら自分の中で後悔があるのでは?と考えた。
やるべきことは全てやった。
伝えたいことは全て伝えた。
もう何もない。
もしかしたらこのように、やり切って別れることができたなら、こんなにグズグズと悩んでいないのかもしれない。
そういう状態であれば、思い出しても、元気にしてるかな、頑張ってるかなという気持ちだけで済むはずだ。
この予想が正だとするならば、会えているうちに伝えるべきことは伝えるべきだった、という結論に至る。
なんで言わなかったんだろう。
会えてるから今は言わなくていいやなどという気の緩みに後悔する日は遠くない。
自分のエゴなのではないか?と考えた。
その人のことをどうにかしてやろう、もしくはその人の記憶に自分がいてほしいというわがままなのではないか。
もちろんその人にはその人の人生がある。だから俺なんかがその人のことを思うのはもしかしたら相手にとっては意味のないことなのかもしれない。
相手が俺のことを思い出す場面が来るのかといわれれば、そんなことはないだろう。あってほしいが。
この予想が正だとするならば、ただの自分のエゴなんだから、立場を弁えないといけない。
引き際というやつだ。精神的な意味で、その人から身を引き、次へ向かわなければならない。
会えていたからこそ、もう会えない現実が首を締め続ける。
でもね、もう心の中では分かっているのかもしれない。
いや、かもしれないというより、分かっているのよ、俺だって。
どれだけ自分が願ったところで、これは叶わない。
でも、分かっているからと言って納得することなんてできない。
だめだ、夜にこういうことを考えてしまうとマイナスな感情にしかならない。
だけどこれを朝考えるかと言ったらそうではない。
夜だからこそ考えられる。
やっぱり、会えているうちに思いや感謝は伝えないといけないと心から思う。
そしてその人を思い過ぎるのも良くない。
こう考えている限りはその人に依存していて、自分が前に進んでいないんじゃないかと思う。
まったく、自分が幼稚すぎるのか考えすぎなのか分からなくなる。
あの人元気かな、なんていう前向きすぎる言葉を言ってみたい。
ただ、今回みたいにふとその人を思い出し、考えるほどに視界が滲んでしまう日があってもいいじゃないか。
その人にもその人の人生があって、一生懸命に生きている。
だったら、その人を応援し、俺も頑張ろうと思えれば一番いいんだけどね。これがなかなか難しい。
もう、考えるのをやめようか。
この気持ちに似た歌何かあるかなと思ってたら、7割くらい当てはまる曲を思い出した。
今日はこれを聞いて寝ようか。
山崎まさよし one more time ,one more chance