映画「渇き。」をみた感想

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 久々にハッピーエンドで終わらない映画を見た。

前々からYouTubeで予告は見ていていつか見たいと思っていた。

 

 

率直な感想としては、ハッピーエンドばかり見ていてもダメなのかもしれないということ。久々にシコリが残る感覚になった。

 

とにかく役所広司演じる藤島の狂ってる言動が好感だった。あの狂い具合は子供と親は似ているということを暗に伝えることにつながっていた。

狂っている様子を娘は陰から、父親は正面から演出していた。対極だけども芯は一致していると言ったところだろう。親は親なら子も子である。

 

そして小松菜奈の怪演と加奈子の思惑が非常にマッチしていてビックリ。役にピッタシだった。

小松菜奈が出てる映画を初めて見たが、加奈子のイメージにとても合っていた。小松菜奈ってこういう役が適切なのか?いやほか見てないからわかんねぇけど。

 

小松菜奈の謎めいた感覚は加奈子を演じるのには最適だ。だからこそ最後まで加奈子の思惑が見えてこなかった。

 

 

 個人的には妻夫木聡をもっと映して欲しかった。というか、刑事が関与する場面てのは必要だったのか?刑事の割にはあまりにも粗末な扱いじゃないかと思った。けど藤島の前の職場だということであれば必要だったのか。でも藤島が重要参考人の割には警察が関与してもいい場面は多かったはず。

 

 

だからもっと警察側として絡んで欲しかった。

いるよねこういう一歩引いてニヤニヤしてる人。あ、俺もそんなやつか。

 

まあ全てに伏線やストーリーを求めてはいけないんだと改めて思った。必要な要素、不要な要素があってこそ作品に光が出る。

 

そしてやけにカット数が多いね。「好きだ」と対極をなすくらいのカット数。なかなか展開が読みずらいのもそのせいかもしれないね。(「好きだ」は俺が一番好きな映画ね。みんな見てね)

 

 

話を戻すけど、瀬川の気持ちも少しばかり分かる気がして自分が嫌になったね。好きな人ともっと近づけるのなら、この嫌な生活から抜け出せるなら、という甘い誘惑が悲劇の結末を迎えるなんて想像もしないだろう。瀬川が目先の欲求に吸い込まれた結果地獄に落ちるという皮肉。可哀想というより、加奈子を好きになったことがダメだった。

 

よくわからない奴は相手にしてはいけない。

 

まさに出口の見えない、深い深いところまで潜り込んでしまっていた。貶してるわけじゃないよ。

 

 

 

感動する映画のエンディングは心に穴が開く感覚を覚えるが、こういったハッピーエンドではなくシコリも残る映画のあとはなんとも言えない気持ちになる。

 

でもたまに見るといいよね。ハッピーエンドばかり見てもしゃーない。

 

個人的には小松菜奈をもっと追ってみたいと思える映画でした。